
まさか久万高原町の山間部旧美川村の農家の書棚で
石井シェフの著書に出会うとは!
久万高原でハーブといえば、この人、といろいろな方から推薦されていた方に
やっと会いに行くことができました。
12、3年前からハーブを栽培してホテルに届けていると伺っていたので
積極的に新しいことに取り組まれる方に違いないと勝手に思い込んでいました。
お会いしてお話を伺ってみると、その方の野菜に惚れ込んだホテルの料理長から
是非、ハーブを作って欲しい、と頼み込まれて作り始められたのだそうです。
最初は、ハーブ入門書で勉強されたそうですが

プロの経験と知識で、本のとおりではなく、葉タバコの育苗箱を使って
苗立てをしたり、マルチを使ったりしながら栽培されたそうです。
そして、そのまま口に入れるものだからと、からしや酢を使って防虫をされたそうです。
冬の寒さが厳しく寒暖差が大きいので、平野部よりは虫が少ないため
自然素材でも十分に効果があったそうです。
そして市場でその日に出荷されたものより、その方のお宅で3日前に収穫した
ハーブの方が元気、と出荷先の方々に喜ばれていたそうです。
いつ30箱欲しいと言われてもすぐに出せるように100箱用意しておく、
そういう努力をされたそうです。
農作物を届けてそれを使ってもらう、ということは
人間同士の信用、心から、「自分が作るんだ」という気持ちを持つことだ、と。
その言葉は穏やかで誠実で謙虚なそのご夫妻の生き方そのものでした。
松山のホテルまでお届けする・・それが楽しみだった。
その日は夫婦で一日松山で遊んで帰った。
何も無い山の中で、苦労をさせたけれど、そういう楽しみを共有できた・・
楽しみながらでないとできん・・・と。
与えられた仕事、環境をただ負担に思う人が多いけれど
このご夫妻のように、楽しみを見つけて日々を暮らして行かれる人が
幸せで、人からも信頼されるのでしょう。
土地に合ったハーブ栽培を工夫されたように、フレッシュハーブティーも、熱湯を注いでぐらっと一煮立ちさせるという、独自の淹れ方をなさっているそうで、熱湯を注いだだけのハーブティーと違って、より多くの成分が引き出されているような美味しさに、驚きました。

たけのこを持って帰れ、お餅も、ヨモギの冷凍も・・と次々持たせてくださいました。
この世では、もうどこへ行っても両親に会うことが出来ない私は
ああ、実家ってこうだったなあ・・・と、嬉しくて嬉しくて・・・
奥様が誰も入らない山できれいに育ったヨモギと、自然交配から作り上げたオリジナル小豆で作ったお餅は
見た目黒っぽいほどヨモギが入っていますが、とても美味しくて
ヨモギをいただくより、お餅を買いたいとお願いしたところ
快く、お引き受けくださいました。


文字はいいけど、写真はNGということで、素敵なご夫妻の
写真を紹介できないのが残念です。